災害や事故で多数のけが人が出たとき、治療や搬送の順番を決め、その結果と傷病者の情報を記録するのがトリアージタグ(トリアージ・タッグ)です。このページでは、書き方・つける場所・色の意味・区分が変わったときの直し方を、国の標準様式にそってまとめました。訓練の準備や、はじめて扱う方の下調べにお使いください。
※実際の運用は、所属する機関・自治体で定められた手順に従ってください。

トリアージタグの決まり(国の標準様式)
トリアージタグの様式は、1996年(平成8年)3月12日の厚生省通知「トリアージ・タッグの標準化について」(指第15号)で標準が示されています。主な内容は次のとおりです。
| 大きさ | 23.2cm(縦)×11cm(横) |
|---|---|
| 紙 | 水に濡れても字が書ける丈夫なもの。本体はやや厚手、複写用紙は薄手 |
| 複写 | 標準は3枚(災害現場用/搬送機関用/収容医療機関用)。本部用を加えた4枚式を使う地域もあります |
| 形式 | モギリ式(もぎり取る部分の幅は1.8cm) |
| 色の表示 | 両面印刷。ローマ数字のみを記載し、模様や絵柄は入れません |
色と区分の意味
| 色 | 区分 | 意味 |
|---|---|---|
| 黒 | 0 | 死亡あるいは救命困難群 |
| 赤 | I | 緊急治療群 |
| 黄 | II | 非緊急治療群 |
| 緑 | III | 治療不要もしくは軽処置群 |
もぎり取る部分は、外側から緑・黄・赤・黒の順に並んでいます。判定した区分の色がいちばん端に残るように、それより外側の色をもぎり取ります。たとえば赤(I)と判定したら、外側の緑と黄をもぎり取り、赤を残します。

タグに書くこと
傷病者について
氏名、年齢、性別、住所、電話。外国の方やご家族が書くことも想定し、標準様式ではこれらの項目に英語が併記されています。
担当する側について
タグのNo.、トリアージを実施した月日・時刻、実施者の氏名、搬送機関名、収容医療機関名。あわせて、実施場所(現場・ポスト・車内など)、実施機関(医師・救急救命士・その他)、症状・傷病名、トリアージ区分(1st・2nd・3rd)を記入します。
裏面(特記事項)
応急処置の内容、既往症、搬送や治療のうえで特に気をつけることなどを、簡潔に書きます。バイタルサインの変化や発見時の状況、負傷部位の図示もここに残します。
書くときのコツと注意
- 黒の油性ボールペンで、強めの筆圧で書く(複写を下の用紙まで写すため)
- 先に書けるところは、あらかじめ書いておく(通しNo.、実施日、実施場所、実施機関、実施者名)
- 分からないことは空欄のままにし、氏名が分からないときは「不詳」と書く
- 個人情報は必要最小限で構わない
- あとから書き足せるよう、余白を残す
- 書き間違いは二重線で消して訂正し、訂正・追記にも時刻と書いた人の名前を入れる
- 記入は、最終的に救護所で仕上げる
タグをつける場所
原則は右手首です。けがや切断などでつけられないときは、左手首 → 右足首 → 左足首 → 首の順に変えます。
衣服や靴にはつけません。脱いだり脱げたりしたときに、傷病者とタグが離れてしまうためです。
区分が変わったときの直し方
トリアージは一度で終わりではなく、状態の変化に応じて繰り返し行います。前の記載は消さず、追記していきます。
重症化したとき
今のトリアージ区分に×をつけて訂正し、もぎりを追加します(例:黄→赤なら、黄をもぎり取って赤を残す)。変更した人の名前と時刻を必ず書きます。
軽症化したとき
もぎり取った部分は元に戻せないため、新しいタグを重ねてつけます。古いタグには大きく×をつけ、外さずに残します。こちらも、変更した人の名前と時刻を書きます。

訓練で使うときは
- 訓練には「訓練用」と表示されたタグを使い、実災害用と混ざらないようにします
- 記入の練習は、先に書ける項目(通しNo.・実施日・実施場所・実施機関・実施者名)を書くところから
- もぎり・装着・追記まで通して練習すると、本番の動きに近づきます
当社の訓練用トリアージタグは、記載内容・ミシン目の構成を実運用向けと同じにし、用紙を普通紙のノーカーボン複写にして費用を抑えたものです。3枚式・4枚式、10枚・100枚セットからお選びいただけます。
よくある質問
3枚式と4枚式は、どちらを選べばよいですか?
国の標準は3枚(災害現場用/搬送機関用/収容医療機関用)です。本部用を加えた4枚式を使っている地域・機関もあります。周りの機関と合わせるのが基本ですので、消防本部や自治体の防災担当にご確認ください。当社では3枚式・4枚式の両方を扱っています。
どの色からもぎり取るのですか?
外側の緑からです。緑・黄・赤・黒の順に並んでいるので、判定した区分の色が端に残るところまでもぎり取ります。
訓練用と実災害用では、何が違いますか?
用紙と表記が違います。実災害用は水に強い合成紙(ユポ紙)、訓練用は普通紙のノーカーボン複写で、「訓練用」の表記が入ります。記入欄やミシン目の構成は同じなので、訓練で覚えた手順がそのまま本番で使えます。
何枚から購入できますか?
一般災害用は1枚から、備蓄向けの100枚入りもあります。訓練用は10枚・100枚のセットです。自治体・消防・医療機関・学校向けの見積書・請求書の発行にも対応します。
トリアージタグを購入する
参考にした資料
- 厚生省「トリアージ・タッグの標準化について」(平成8年3月12日 指第15号)に基づく標準様式
- 自治体・都道府県が公開している災害医療研修資料(タグの記載方法・装着部位・再トリアージの扱い)
このページは、標準様式と公的な研修資料をもとに、当社が販売者の立場でまとめたものです。実際の運用は、所属する機関・自治体の手順に従ってください。