■2006年度 活動報告詳細

総括
 活動期間中にクラブが扱った事故や事件を簡潔に一覧にしました。(オタネ浜の利用者のほとんどが札幌市民です。)
私たちが活動を始める前までオタネ浜では、毎年死亡者や事故が発生していました。しかし偶然かもしれませんが、近年私たちが活動を始めて重篤な事故や死亡事故は発生していません。下記に記した事案の中に、死亡事故につながっていたかも知れないものもあります。さらに事故を未然に防ぐ為の活動もしているので、その成果が出ているのかもしれません。
 最近では私たちの知名度もあがり、迷子や怪我などでクラブを利用して頂くことも増えました。さらに不審者(盗撮)の情報を寄せていただいたこともあります。活動の内容も、自分達が想像もしていなかった事に及び、苦慮することもあります。しかしながらそれは、いかにこのオタネ浜の利用者が多く、事故や事件の発生が頻繁にあるかを物語っています。
 オタネを利用する人の数はピーク時に一日で約3000人、駐車台数は1000台以上になります。そのピークはお盆の前の日曜日ですが、お盆を境に、利用者数は激減します。
 特に道路などが整備された海浜ではないので、砂浜に駐車する車の為、渋滞が発生します。500Mを走行するのに一時間かかることもあります。これは緊急車両の通行に支障をきたす憂慮すべき状況です。そして不法に投棄されるゴミにより海浜は見るも無残な姿になります。わずかな期間に投棄されるゴミは目を覆いたくなるほどの状態です。さらにオタネ浜には公共のトイレが無い為、草はらや砂の丘に利用者の大便が多く見られます。それだけではなく排泄時に使用する、紙類(ティッシュペーパー)が散乱し異様な状態になっています。このままの状況をなにもしないで放置すると自然破壊がすすみ、取り返しのつかない状況になると思います。

本年度より小樽海上保安部に、記録した日誌を提出するにしました。その他、特に重大な出来事に対しては別途、事案報告書として提出することとした。

本年度取り組んだ改善点
・陸上班とジェットレスキューチームの連絡方法
・海保情報の対応マニュアル

次年度の課題
・ベース拠点の確保
・緊急車両通行路の確保
・ゴミ問題


2006/8/26(日曜日)天候晴れ 水温24度
その他
1
時間:18:45頃
場所:新川河口
対象:水上バイク
詳細:日没時間(18:19)を過ぎて航行しているため、陸上から拡声器で注意した。その後すぐに着岸した。


2006/8/26(土曜日)天候晴れ 水温24度
ファーストエイド
1
時間:14:50頃
場所:ベース隣
対象:小学二年生(男子)
詳細:クラゲに刺されたと来る。真水で洗い病院へ行くように言う


2006/8/20(日曜日)天候晴れ 水温24度
安全輸送
1.
時間:13:15頃
場所:新川河口沖200M
対象:遊泳者
詳細:浮き輪に乗った男女が風に流され沖へ向っていた。危険と判断しパトロール艇で安全なとことまで水上バイクに乗せ輸送した。(札幌市民)
期間故障
1
時間:14:30頃
場所:新川河口沖200M
対象:水上バイク
詳細:エンジンがかからなくなり漂流しているのを陸上班が発見し、ジェットレスキューチームを出動させた。安全なところまで曳航した。
2
時間:14:35頃
場所:新川河口沖200M
対象:水上バイク
詳細:エンジンがかからなくなり漂流しているのを陸上班が発見し、ジェットレスキューチームを出動させた。安全なところまで曳航した。
3
時間:15:10頃
場所:新川河口沖200M
対象:水上バイク
詳細:漂流しているのを陸上班が発見し、ジェットレスキューチームを出動させた。安全なところまで曳航した。当該船は燃料切れでエンジンがとまった。
その他
1
時間:19:10頃
場所:新川河口と赤看板の中間
対象:水上バイク
詳細:日没時間(18:30)を過ぎて航行しているため、陸上から拡声器で注意した。その後すぐに着岸した。その後、水上バイクの船長と話をし日没時間の確認をする。


2006/8/16(水曜日)天候晴れ 水温24度
その他
1.
時間:12:30頃
場所:新川河口沖200M
対象:水上バイク
詳細:スタンディングの水上バイク(一人乗り)の乗員が落水し、水上バイクだけが岸と平行に500Mほど暴走した。地上班の監視で暴走を発見し、すぐに待機していたジェットレスキューチームが出動、エンジンを停止させ停船させた。その後、操縦者に引き渡した。水上バイクのキルスイッチの改造により、落水してもエンジンが停止しないようになっていた。通常よりもアイドリングが高く、高速で暴走した。もし暴走が遊泳者や岸に向っていたら惨事になっていたかもしれない。この事案に対しては大変に危険な行為として、船検番号を小樽海上保安部に報告した。


2006/8/6(日曜日)天候晴れ 水温24度
安全輸送
1.
時間:14:00
場所:新川河口沖300M
対象:遊具の乗員
詳細:ジェットチームのパトロール艇(中鉢班)が漂流者を発見しライフジャケット未着用で危険な為、安全なところまで輸送した。遊具(バナナボート)から転落し、水上バイクの操縦者が気が付かずそのまま走り去ったもの。

海保情報
1.
時間:AM8:05
場所:石狩新港東側
対象:水上バイクと乗員
詳細:早朝に出発した水上バイクが未帰還との連絡を受け、オタネ浜、十線浜に漂流又は着岸していないか確認する。確認完了し報告の準備をしている最中に、無事帰還したとの連絡を受け、事案終了。
8:05 海保より入電
8:08 パトロール艇出動
8:15 オタネ浜、十線浜及びその沖合い確認
8:16 海保より事案終了の入電


2006/7/30(日曜日)天候晴れ 水温20度
迷子
1.
時間:11:30頃
場所:ベースキャンプ
対象:女児4歳
詳細:一般の海水浴客に連れられ、保護者を探して欲しいと要請あり、クラブパトロールカーにて探す。赤看板から石狩に300M付近で保護者を見つけ無事に送り届ける。
2.
時間:15:00頃
場所:ベースキャンプ
対象:女児2歳
詳細:一般の海水浴客に連れられ、保護者を探して欲しいと要請あり、クラブパトロールカーにて探す。新川河口付近で保護者を見つけ無事に送り届ける。
機関故障
1.
時間:14:00頃
場所:レスキューマップ赤看板沖合い200M
対象:水上バイクと乗員
詳細:ジェットチームのパトロール艇が横転している水上バイクを発見しクラブ員が復元させた。エンジンがかからず岸まで曳航し乗員を安全輸送した。(乗員は5分以上逆さになっていた水上バイク復元できずにいた。復元の方法を知らず、聞き取りの内容から無免許と思われる。)


2006/7/23(日曜日)天候曇り 水温20度
ファーストエイド
1.
時間:お昼頃
場所:レスキュマップ赤看板付近
対象:児童(小学一年生)
詳細:裸足で砂浜で遊んでいたところ、投棄された焼き鳥の竹串が足の裏に刺さって出血する(ごく浅く小さな傷)。真水で洗浄後カットバンを貼る。


2006/7/17(月曜日)天候曇り一時雨 水温19度
遊泳注意情報
1.
時間:13:00頃
場所:オタネ浜(レスキューマップ赤看板から石狩に500Mと新川河口から300M付近)
対象:遊泳者
詳細:急に雨が降り始め、雷雨となる。遊泳者合計10名に、地上班のパトロールカーと徒歩により落雷の危険があるので海からあがるように注意する。(全員すぐに海から上がってくれる。)
その後も雷雨が強く、地上班によるパトロールを行う。


2006/7/16(日曜日)天候曇り 水温20度
安全輸送
1.
時間:お昼頃
場所:サンセットビーチ沖80M
対象:水上バイクと乗員
詳細:パトロール中のクラブ水上バイクが、海域利用調整区域(条例指定の航行禁止区域)で大人1名子供3名乗船の水上バイクを発見(子供においてはライフジェケット未着用)、航行禁止区域から出ることと、ライフジャケット未着用の子供についてはすぐに着用するように注意する為接近し区域の説明をしたところ、機関故障で航行できず漂流しているとのこと。
直後に転覆、乗員全て投げ出される。子供2名救助、大人と子供一名は転覆した水上バイクにつかまり乗り込む。
近くの浜に曳航し乗員全て無事に帰還。


2006/7/9(日曜日)天候晴れ 水温19度
機関故障
1.
時間:12:30
場所:レスキューマップ赤看板おき1.5K
対象:水上バイクと乗員、トーイング遊具
詳細:地上班の監視で漂流中の水上バイクとウェークボーダー合計3名を発見。トーイングロープが機関に巻きつき航行不能とのこと。3名とも無事救助。
2.
時間:13:40
場所:レスキューマップ新川赤看板から黄色看板の間
対象:水上バイクと乗員、
詳細:地上班の監視で漂流中の水上バイクと乗員2名を発見。船内に浸水し航行不能(沈没寸前)乗員2名とも無事救助。浸水した水上バイクは仲間に曳航され無事帰還。

海保情報
1.
時間:15:50頃
場所:レスキューマップ黄色看板沖合い2K
対象:無人の水上バイク、
詳細:陸上班の監視で沖合いに無人と思われる水上バイク発見。すぐに待機していたパトロール艇にて出動し海保に連絡する。
経過:15:55パトロール艇、無人のジェット確認。
16:00周辺を捜索も乗員の確認できず。
16:05小樽海上保安部に通報後、曳航。
16:12曳航中に無人の水上バイクの関係者が来て、乗員2名がいると連絡を受ける。
16:14小樽海上保安部に乗員2名行方不明と報告、無人の水上バイクは関係者に曳航を依頼し、付近の海域を捜索
16:22小樽海上保安部より乗員は他の船舶に救助され無事帰還との連絡を受け捜索終了。

その他
1.
時間:お昼ごろ
場所:クラブベースキャンプ(レスキューマップ赤看板付近)から石狩に100M
対象:四輪バギーの乗員
詳細:通行人の通報で地上班が徒歩で出動。バギーと乗用車の接近によりバギー乗車中の男児3名転倒、一名は無傷、一名は頭を打つが外見上は異常は無し、大事をとって病院に行くように言う。そのご保護者が救急車の要請をして搬送される。
(幼児3名の二人乗りで子供だけでバギーを運転させていた)


2006/7/2(日曜日)天候晴れ 水温18度
機関故障
1.
時間:14:00頃
場所:ドリームビーチ沖2K
対象:水上バイクとトーイング遊具
詳細:クラブパトロール艇が、漂流中の水上バイクとウェークボーダー合計3名を発見。トーイングロープが機関に巻きつき航行不能とのこと。
自力で航行出来ず30分以上漂流していた模様。3名とも無事救助し曳航する。
2.
時間:14:40頃
場所:ドリームビーチ沖2K
対象水上バイクと乗員、
詳細:クラブパトロール艇が漂流中の水上バイクを発見。乗員2名無事救助し曳航する。

海保情報
1.
時間:15:23
場所:レスキューマップ新川赤看板から黄色看板の間
対象:機関故障の水上バイクと乗員、
内容:水上バイクと乗員の漂流
経過:
15:23 海保から一報入電
15:30 クラブパトロール艇現着、捜索
15:38 該当船舶見当たらないと海保に報告
15:47 クラブ地上班から確認の連絡入電
15:03 クラブ地上班から陸上においては特に異常無しと入電
16:24 海保から事案終了の入電
     (要救助者、自力で戻り怪我人等無し)

用語補足
■地上班
クラブメンバーで編成した陸上班チーム、
 パトロールカーが一台あり、ジェットチームと連携して救助や情報収集にあたる。
■ジェットチーム
クラブメンバーで編成した水上バイク班、
 通常は1艇で運航するが予備艇が2艇あり事案によって出動可能である。一艇に付き乗員2名で運航する。

■ベースキャンプ
クラブが活動本部を設置した場所、
 監視小屋や監視塔が無い為に都度、活動拠点を設置してます。

■レスキューマップ
石狩湾などの目印を記した地図、
 小樽海上保安部が製作、海岸地域の建物など目印を記載して消防・警察と共通の情報で対応できるようにしたもの。

重溺:意識が無いような重度の溺者が出た事案。
軽溺:意識があるが自力で戻る事が出来ない溺者が出た事案。
安全輸送:まだ溺れていないが危険な状態のため、溺れる前に陸上に輸送した事案。
ファーストエイド:怪我の応急手当てをした事案。
機関故障:エンジンや舵取り装置等の故障で航行できないPWCを安全な場所に曳航した事案。
係留解け:アンカーやイカリが解けて流されたPWCを安全な場所に曳航した事案。
海保情報:118や事故情報に対応し協力した事案。
遊泳注意情報:波浪や天候等で遊泳を控えるようアナウンスした事案。
※PWCとはパーソナルウォータークラフト(小型船舶)の略